私は工房でたいてい一人で制作をしているのですが、最近は人と接する時間よりも金属といる時間が圧倒的に長いです。最初は手で何かを作りたいという願望で決めた芸術の道ですが、鍛金を専攻してから8年、金属ともっと良い関係になれるよう日々考えています。
鍛金で好きな点は、制作中ずーーーっと金属を見つめてその変化を見守れることです。
金槌で叩くことでどんどん形が変わっていったり、槌目の表情も刻一刻と変わります。あと何と言っても魅力的なのは金属に熱を加えた時の色の変わり様です。その変化は本当に神秘的で、金属が生きているようにさえ感じます。
もっともっと金属のことを知り尽くしたい!と思うことはありますが、私の場合、初めて出会った素材かのように新鮮な気持ちで金属と向き合いたいって思ったり、金属と過ごす時間の中で少しずつ自分で発見していく過程を大切にしたいと思っています。私の場合その方が素材をコントロールしすぎず、金属と自然な関係が保てそうです。そうゆう金属との密な時間に積み重なってきたいいものが、私の作るものを通じて世界の人へ伝わればいいなと思ってます。
金属と私
in work diary